ジャーナル
2020.06.09
今月のレジ前の一冊 ジャレド・ダイアモンド著「危機と人類」
6月を迎え2020年も中盤に差し掛かってきましたが、日本国内はもちろんのこと、世界全体では未だに感染症拡大という人々の間で共通の「危機」に直面しています。
「危機」は、国家単位だけでなく個人単位でも乗り越えていかなければならない問題であると言えます。では、危機をどう認識していけばよいのか?危機をどう乗り越えるか?このジャレド・ダイアモンドの著書「危機と人類」は過去の世界で起こった危機の例を通してヒントを示してくれるかもしれません。
本書では、まず個人的危機の例を示し、危機の解決に関わる要因12項目を紹介しています。国家的危機について、この12項目は個人的危機とは相違点はあるものの類似する点が多くあるという観点から、日本を含めた様々な国が経験した危機の例が挙げられています。
危機を乗り越えるためには、これまでの状態から“変えなくてよい部分”、“変えなければならない部分”とを分別する「選択的変化」が必要であるとし、明治日本は社会のあらゆる面で伝統的な日本の要素を保持する部分と、西洋の影響を受け変えていく部分をうまく分別した「選択的変化」の成功例としています。
また、著者は現在進行中の危機についても述べており、“自然資源管理”や“気候変動”などの地球環境について、過去に「価値観の見直し」や「選択的変化」により大きな危機を乗り越えた日本のように、これらの危機に対しても時代に合わせた価値観の正しい取捨選択を提言しています。
ゆっくりと進む問題や大きな悪いことが将来起こりそうだと想定するよりも、何か大きな悪いことが突然起きることのほうが人々の行動を促すのは確かです。しかし、自然の恩恵を受けた「食品」を取り扱うスーパーマーケットであるヤマダストアーとして、地球環境へ与えるインパクトはとても大きく、著者が述べた進行中の地球環境の危機に対して行動する責任があります。
例えば、世界においては、地球上の人類が共同利用できる「共有地(コモンズ)」である公海の資源の利用はどの国でも利用できます。しかし私たちが持続可能で適切な方法で利用しなければ、このままでは資源は枯渇してしまいます。またグローバル化が進み、他国からの資源により、その国の資源を枯渇させてしまうなどの問題もあります。
ヤマダストアーは、「食品」と「地球環境」には非常に密接な相互依存関係があることを正しく認識し、これまでにも持続可能な漁法で獲られた海産物の販売や、枯渇している海産物の販売休止などを行ってきました。これからもヤマダストアーは、私たちが何をどのように消費しているのか見つめ、進行中の危機や起こりうる危機を常に認識してこのような「選択的変化」を続けることにより、食品の透明性を高めて選択肢を増やし、お客様の意識的な消費をするお手伝いをしていきたいと考えています。
他企業とは全く異なる価値観をもったヤマダストアーの独自の経営は氏の書籍から影響を受けたものが多く、
ヤマダストアーをもっと知りたいお客様にはおすすめの一冊です。
(他にも「銃・病原菌・鉄」や「文明崩壊」などもおすすめです)
只今、各店レジ前にて販売しておりますので是非ご一読ください!